【助産師解説】産後ケアって何するところ?助産師に相談してほしい産後のママと育児のこと
出産を終え、待望の赤ちゃんとの生活がスタート。 幸せなはずなのに、「これで合っているのかな?」「なんだか不安で涙が出る…」と、一人で抱え込んでしまうことはありませんか? 核家族化が進み、地域の繋がりが薄れている今、誰の助けも借りずに手探りで育児をすることは、本当に大変なことです。 そんなママたちを支えるための公的な仕組みとして、今「産後ケア」が注目されています。 「産後ケアって何をするの?」「私なんかが利用していいの?」 そんな疑問に、助産師がお答えします。
産後ケアは「ママが安心できる場所」です
産後ケアとは、出産後のママと赤ちゃんが、助産師などの専門家から心身のケアや育児サポートを受けられるサービスのことです。
産後ケアの一番の目的は、「ママが心から安心できる場所を提供すること」です。
助産師というプロがすぐ側にいて、赤ちゃんの様子を一緒に見てくれる。それだけで、張り詰めていた糸が緩み、久しぶりに深く息ができるようになる場所なのです。
産後ケアの使い方は「ママの自由」です
産後ケアのイメージは「育児の特訓をする場所」や「ずっと赤ちゃんを預かりっぱなしの場所」が多いかもしれません。
産後ケアの良いところは、「休息」と「育児」のバランスを、その時のママの体調や気分に合わせて自由に選べることです。
- 「今はとにかく眠いから、3時間だけ預かってほしい」
- 「少し元気が出てきたから、授乳のやり方を教わりたい」
- 「体重の増えが心配。赤ちゃんが飲むところを毎回みてほしい。」
「ずっと練習」でも「ずっとお休み」でもなく、「今はこうしたい」というママの気持ちを一番に優先してください。私たちは、その気持ちに寄り添ってサポートします。
具体的にどんなことをするの?
ママが一番「安心」できる過ごし方を一緒に考え、以下のようなサポートを行います。
1. 「休息」して体を癒やす
「少し眠りたい」「人の作った温かいご飯が食べたい」「ゆっくりご飯が食べたい」「シャワーを浴びたい」。 赤ちゃんをスタッフに預けられるからこそ、「何かあってもプロが見てくれている」という安心感の中で、安心して眠ったり、リラックスしたりすることができます。
2. 「自信」をつける
「家に帰ってからが不安」という時は、授乳の姿勢、ミルクの量、抱っこや沐浴の仕方などを一緒に練習します。「その時のママと赤ちゃんに合ったやり方」を一緒に見つけることで、「これなら家でもできそう」という自信を持ち帰ることができます。
3. 「心」を軽くする
「なんで泣いているのか分からない」「可愛いと思えない時がある」「夫や家族に言えない不満」といった、不安や悩みを相談できます。 否定されずただ話を聞いてもらうだけで、「一人じゃない」と感じて心が軽くなることがあります。

自分に合ったタイプを選ぼう
産後ケアには主に3つの種類があります。
- 宿泊型(ショートステイ) 産院や助産院などに宿泊します。夜中の育児もサポートができ、授乳のタイミングによっては「朝まで安心して眠る」という時間もとれるかもしれません。
- 日帰り型(デイケア) 日中に産院や助産院で過ごします。美味しいランチを食べたり、他のママやスタッフと会話をしたり、気分転換に最適です。
- 訪問型(アウトリーチ) 助産師が自宅に来てくれます。「自宅のお風呂での入れ方」や「部屋の環境」など、いつもの生活の場でアドバイスが欲しい時に便利です。
「私なんかが使っていいの?」と思わないで
「実家が近いから」「夫がいるから」と、利用を遠慮してしまうママもいます。 しかし、産後ケアはすべての産後ママのためのサービスです。特に以下のような時は、迷わず頼ってください。
- 「育てていけるかな」と不安になることがある
- 赤ちゃんが泣き止まず、どうしていいか分からず怖い
- 家族のサポートはあるけれど、日中ずっと赤ちゃんと二人きりで孤独
- 理由もなく涙が出る、イライラする
- とにかく誰かと話したい、話を聞いてほしい
- ゆっくりお風呂、食事をする時間がほしい
プロの手を借りることは、「甘え」でも「母親失格」でもありません。 ママが安心した笑顔でいることが、赤ちゃんにとっても一番の幸せなのです。

利用するにはどうすればいい?
多くの自治体では、費用の助成を行っています(例:1回数百円〜数千円で利用可能)。 お住まいの市町村の保健センターや、出産した産院、地域の助産院などに相談してみましょう。
まとめ
- 産後ケアは、ママが「安心」を取り戻し、心身をリセットするための場所です。
- 休息したい時も、育児を学びたい時も、その時の気分で自由に過ごし方を選べます。
- 信頼できるプロに頼ることで、初めて心からの安らぎが得られます。
- 利用は「甘え」ではありません。辛くなる前に、ぜひプロを頼ってください。
育児は長距離走です。不安なまま走り続けるのではなく、産後ケアという「安心できる場所」で荷物を下ろし、また笑顔でスタートできるよう、私たちがお手伝いします。




