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【助産師が解説】母乳は足りてる?不安なママへ。「足りているサイン」と体重の目安

【助産師が解説】母乳は足りてる?不安なママへ。「足りているサイン」と体重の目安

2025/12/25(Thu)

【助産師が解説】母乳は足りてる?不安なママへ。「足りているサイン」と体重の目安

赤ちゃんが泣くたびに、「おっぱい、足りていないのかな…」と不安になる。 これは、母乳育児をがんばる多くのママが一度は通る道です。その不安な気持ち、とてもよく分かります。 この記事では、母乳がしっかり足りているかを確認できる“信頼できるサイン”と、不安な気持ちとの付き合い方について、助産師が詳しく解説します。

まずはここをチェック!信頼できる2つのサイン

母乳が足りているかどうかは、赤ちゃんの様子を見るのが一番確実です。特に以下の2点は、客観的で信頼できる指標です。

サイン①:おしっことうんちの回数

赤ちゃんが飲んだ母乳の量は、おしっことうんちの回数に正直に表れます。

  • おしっこ:1日に6回以上、ずっしりと重いおむつ交換があれば、水分が足りている証拠です。おしっこの色が薄い黄色であれば、さらに安心です。
  • うんち:生後1ヶ月ごろまでは1日に何度もすることもありますが、1日1回出ていれば問題ありません。黄色く、ゆるいのもうんちがよく出ているサインです。(回数は個人差が大きくなります)

サイン②:体重の順調な増加

赤ちゃんの体重増加は、栄養が足りているかどうかの最も確実な証拠です。

  • 生後すぐは一時的に体重が減りますが(生理的体重減少)、生後1〜2週間で生まれた時の体重に戻り、その後は順調に増えていきます。

2週間健診や1ヶ月健診の際に、体重の増え方を確認しますので、自宅で毎日測って一喜一憂する必要はありません。健診で順調と言われれば、自信を持ってくださいね。

授乳中にわかる「足りているサイン」

ママが授乳中に感じられる「母乳が足りているサイン」をまとめました。

  • “ゴクゴク”と飲む音が聞こえる
    最初の速い吸い方から、母乳が出てくるときのゆっくりと深い吸い方に変わり、「ゴクン、ゴクン」という音が聞こえれば、しっかり飲めている証拠です。
  • 授乳後に赤ちゃんが満足そうにしている
    おっぱいを飲んだ後、赤ちゃんがリラックスした表情で眠ってしまったり、ご機嫌になったりするのは、お腹がいっぱいになったサインです。
  • 授乳後に乳房が軽くなる・やわらかくなる
    授乳前はパンと張っていたおっぱいが、授乳後に柔らかくなっていれば、赤ちゃんが母乳をしっかり飲み取ってくれた証拠です。

射乳反射(しゃにゅうはんしゃ)がある
授乳中に乳房がツーンとしたり、反対側のおっぱいから母乳がポタポタ垂れてきたりすることがあります。これは母乳が分泌されているサインです。(※この感覚がない方もいるので、感じなくても心配いりません)

赤ちゃんが泣くのは、おっぱいが足りないから?

赤ちゃんが泣くと、つい「お腹が空いたんだ!」と思ってしまいがちですが、「泣く=母乳不足」ではありません。

赤ちゃんは、言葉が話せない代わりに「泣く」ことで様々なことを伝えようとします。

  • おむつが濡れて気持ち悪い
  • 眠い、うまく眠れない
  • 抱っこしてほしい、甘えたい
  • 暑い、または寒い
  • ゲップが出なくて苦しい

など、理由はたくさんあります。まずはおむつを替えたり、抱っこして背中をさすったりして、空腹以外の理由がないか探ってみましょう。

「母乳が足りない」は“思い込み”かも?不安を解消しよう

以下のようなことで、「母乳が出ていないのでは?」と心配になるママもいますが、実は順調な証拠であることが多いです。

  • 「おっぱいが張らなくなった」
    →産後1〜2ヶ月経つと、赤ちゃんの飲む量に合わせて母乳が作られるようになり、無駄な張りがなくなってきます。これは需給バランスが整った良いサインです。
  • 「哺乳時間が短くなった」
    →赤ちゃんがだんだん飲むのが上手になり、短時間で満足できる量を飲めるようになった証拠です。
  • 「赤ちゃんが頻繁におっぱいを欲しがる」
    →急に身長が伸びる時期(成長期)には、飲む量が増えておっぱいを頻繁に欲しがることがあります。これは母乳の生産量を増やすための自然な行動です。

それでも不安な時は…

どうしても不安が拭えない時は、赤ちゃんの体重を測って計算してみることもおすすめです。最終体重測定日からの体重増加や、母子手帳にある成長曲線の中でどのあたりなのか、確認してみましょう。

また、体重測定が難しかったり、体重増加の判断が難しい場合は、専門家に相談しましょう。市町村の保健師や、助産師に相談することが一番の近道です産院や助産院では、産後ケアや母乳外来などを活用し助産師に相談することができます。まずはお住まいの地域にあるサービスや助成制度を調べてみてください。

こんな時は専門家へ相談を

  • 1日に濡れるおむつが5回以下と少ない日が続く
  • 1ヶ月健診で体重の増えが良くないと指摘された
  • 赤ちゃんがぐったりして元気がない

上記のような場合は、すぐにかかりつけの小児科や産婦人科にご相談ください。

まとめ

  • 母乳が足りているかの最も確実なサインは「1日6回以上のおしっこ」と「順調な体重増加」です。
  • 赤ちゃんが泣く理由は空腹だけではありません。焦らず、他の原因も探ってみましょう。
  • 胸の張りや授乳時間で一喜一憂せず、赤ちゃんの機嫌やおしっこの回数を観察しましょう。
  • 不安な時は一人で悩まず、いつでも私たち助産師を頼ってください。

母乳育児は、赤ちゃんとママの二人三脚です。自信を持って、ゆったりとした気持ちで、今しかないこの貴重な時間を楽しんでくださいね。