
【妊婦健診】胎嚢(たいのう)はいつ見える?見えないのはなぜ?妊娠初期の超音波検査
妊娠検査薬で陽性反応が出て、期待と不安を胸に産婦人科へ。 そこで医師から「胎嚢(たいのう)が確認できましたよ」と言われたり、逆に「まだ胎嚢が見えないので、また来週来てください」と言われたりすることがあります。 初めて耳にする方も多いこの“胎嚢”。 これは、エコー検査(超音波検査)で確認できる、赤ちゃんが入っている「袋」のことです。 この記事では、胎嚢がいつ頃から見えるようになるのか、もし見えなかった場合はどう考えれば良いのかについて、妊娠初期の流れとともに解説します。
そもそも「胎嚢(たいのう)」とは?
胎嚢(Gestational Sac:GS)とは、子宮の中にできる赤ちゃんを包むための部屋(袋)のことです。 超音波検査では、子宮内膜の中で「黒い丸」のように映ります。
この胎嚢が子宮の中に見えるということは、「正常な妊娠(子宮内妊娠)である」という最初の大切な証拠になります。 妊娠検査薬が陽性であっても、胎嚢が見えない段階では、まだ子宮外妊娠などの可能性を否定しきれないためです。
いつから見える?確認できる時期の目安
一般的に、胎嚢が超音波検査で見えるようになるのは、妊娠4週後半〜5週はじめ頃からです。
- 妊娠4週(生理予定日ごろ) まだ非常に小さく(数ミリ程度)、エコーの性能や角度によっては見えないことも多い時期です。
- 妊娠5週(生理予定日の1週間後) 多くの人で胎嚢が確認できるようになります。大きさは1cm前後になり、黒い豆のような形が見えてきます。
- 妊娠6週以降 胎嚢の中に、赤ちゃん自身の姿(胎芽)や、心臓の動き(心拍)が確認できるようになってきます。
「まだ見えない」と言われたら…考えられる3つの理由
妊娠5週を過ぎて受診しても「胎嚢が見えない」と言われると、「赤ちゃんは大丈夫?」と心配になりますよね。 しかし、この時期に見えないことには、いくつか理由があります。
1. 受診のタイミングが早すぎた(排卵日のズレ)
最も多いのがこのケースです。 最終月経から数えた週数では「5週」だとしても、排卵日が予定より遅れていた場合、実際の赤ちゃんの成長はまだ「4週」程度ということがあります。 この場合、1週間ほど待って再検査をすると、無事に胎嚢が見えてくることがほとんどです。
2. 化学流産(化学的流産)
受精して着床はしたものの、胎嚢が見える大きさになる前に成長が止まってしまった状態です。 妊娠検査薬では陽性になりますが、超音波では何も映らず、その後生理のような出血が始まります。これは受精卵の染色体異常などが原因で起こる自然淘汰であり、お母さんの行動のせいではありません。
3. 異所性妊娠(子宮外妊娠)
受精卵が子宮の中ではなく、卵管などに着床してしまった状態です。 検査薬は陽性なのに、子宮の中にいつまでも胎嚢が見えてこない場合、この可能性を疑います。放置すると卵管破裂などの危険があるため、慎重に経過を見る必要があります。
胎嚢が見えたあとの流れ
胎嚢が確認できたら、次は赤ちゃん自身の成長を確認していきます。
- 胎嚢(GS)の確認:妊娠5週ごろ 「子宮の中に妊娠しているか」を確認します。
- 卵黄嚢(らんおうのう)と胎芽(たいが)の確認 胎嚢の中に、赤ちゃんの栄養袋である卵黄嚢(白いリング状)や、赤ちゃん自身である胎芽が見えてきます。
- 心拍確認:妊娠6週〜7週ごろ 赤ちゃんの心臓がピコピコと動いているのが見えます。心拍が確認できると、流産の確率はぐっと下がります。
- 予定日の決定:妊娠8週〜10週ごろ 赤ちゃんの大きさ(頭殿長:CRL)を測り、正確な出産予定日を決定します。

まとめ
- 胎嚢(たいのう)とは、赤ちゃんが入っている袋のこと。子宮内妊娠の最初のサインです。
- 見えるようになる目安は妊娠5週ごろからです。
- 見えなくても、排卵日のズレなどで週数が若いだけの可能性が高いため、焦らず医師の指示に従って1週間後などに再受診しましょう。
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性を否定するためにも、自己判断で受診をやめず、必ず経過を見ることが大切です。
「見えない」と言われると長い1週間に感じるかもしれませんが、赤ちゃんのペースは人それぞれです。 不安なことや、待っている間に出血や腹痛があった場合は、いつでも当院へご相談ください。
【監修】 医療法人育愛会 愛産婦人科 院長 菅原 正樹
札幌市手稲区の産婦人科 医療法人育愛会 愛産婦人科 院長の菅原です。 私たちは、女性のあらゆるライフステージに寄り添い、一人ひとりのお悩みに応える医療を大切にしています。妊娠初期の不安や検査結果について、どんなことでも丁寧にご説明いたします。






