
授乳・おっぱいのこと

赤ちゃんとの新生活
産後すぐのお母さんの「おっぱい」は、赤ちゃんを迎えるために劇的に変化し始めます。「うまく吸ってくれるかな」「張って痛い」など、戸惑うことも多いかもしれません。授乳の基本的な姿勢やコツ、産後のおっぱいの変化とやさしいケアの方法をまとめます。
授乳について
赤ちゃんが産まれると、授乳が始まります。当院でも「お母さんと赤ちゃんに合った授乳方法」が見つけられるようにお手伝いしていきます。
乳房の変化
産後0〜2日目
乳房の張りはまだみられないことが多く、母乳の分泌も少量です。
産後3〜4日目
- 乳房が温かくなって張り、重くなってきます。
- 乳房や乳輪部がむくんできて乳輪部が硬くなることがあります。
- 乳房の張りが強くなると、触れると痛くなることがあります。
産後5〜9日目
- 母乳を飲んでもらうと乳房の張りが軽くなります。
- 張ってきたから授乳をしようと乳房の状態を自分でも分かるようになります。
- 授乳中に母乳がぽたぽたと出てくる事もあります。

赤ちゃんが産まれたら母乳はすぐ出るの?
出産後すぐにたくさんの母乳が出るわけではありません。赤ちゃんが産まれて身体のホルモン量が変化すること、赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳が出始めます。
一般的には産後2~4日目あたりから、母乳の量が増えてきます。
どんなタイミングで授乳すればいいの?
生後3日目ぐらいまでは赤ちゃんの体重は減少します。赤ちゃんの排泄回数や体重減少の具合でミルクが必要になる場合もありますが、赤ちゃんが欲しがる時に、欲しがる時間だけ吸わせてあげましょう。
母乳分泌のホルモンを上昇させるために、授乳の間隔は3時間以内くらいを目安にしましょう。
よく泣くけど、おっぱいが足りないの?
はじめはなぜ赤ちゃんが泣くのかわかりにくいかもしれませんが、一緒に生活している間に徐々にわかるようになります。
泣く=母乳不足ではありません。おむつが汚れている、抱っこしてほしい、暑い、おなかが苦しいなど・・・いろいろな理由で泣くことがあります。
母乳がよく出ているサイン
- 授乳時に“ゴクゴク”と音が聞こえる。
- おっぱいを吸っている時に口から母乳があふれる。
- おっぱいを吸わせている時に反対のおっぱいから母乳がたれてくる。またはツーンと痛みが走る感覚がする(催乳感覚といいます)。
- 授乳後に乳房がやわらかくなる。
- 赤ちゃんのおしっこが1日に6~10回みられる。
*母乳は血液から作られます。水分は1.5L~2Lを目安に摂りましょう。常温や温かい飲み物がおすすめです。
*乳房や母乳の分泌には個人差があります。入院中に分からない事や困ったことがあればスタッフにご相談ください。

乳頭トラブル
赤ちゃんは1日10回以上おっぱいを吸います。乳頭に傷や水疱が出来て痛くなることがありますが、ほとんどのお母さんは1か月程で 乳頭痛が減ってきます。
予防方法
- 乳頭マッサージをして、乳頭を柔らかく、赤ちゃんが吸いやすいようにする。
- 授乳の時には乳輪部まで深くくわえさせてあげる。
- 乳頭の一部ばかりに負担がかからないように、授乳姿勢を変えてみる。
対処方法
- 抱き方を工夫し、左右の乳頭をいろいろな角度から吸ってもらいましょう。
- 授乳前に乳頭・乳輪部のマッサージを行い、乳頭を柔らかくしましょう。
- 痛みがつらいときには、搾乳で対応することもできます。
乳腺炎について
乳汁の飲み残しや、乳腺が詰まったところに細菌が感染し炎症が起こります。
症状
- 乳房の一部にしこりができて赤くなる(後から赤みが出てくることもあります)。
- 乳房がズキズキと痛む。
- 発熱(肘で測定して38℃以上)がある。
- 乳頭に白い粒状のものができ、そこからおっぱいが出なくなる。
- 色のついた(濃い黄色や黄緑色)乳汁が出る。
※乳房が張っている場合は、脇ではなく肘で体温を測りましょう。
予防方法
- 乳腺のつまり、乳汁が残ることを防ぐために頻回に授乳をしましょう。
- 左右の乳頭をいろいろな角度から吸ってもらいましょう。
対処方法
- 授乳を続けながら乳房を冷却シートや保冷剤などで一時的に冷やしましょう。
- 授乳後も張り感が残っていれば搾乳したり、乳房を圧迫して乳汁を出しましょう。(片側1~2分程度にし、搾乳のしすぎには注意しましょう)
- 温めたり乳房マッサージをすると悪化することがあるのでやめましょう。
- 改善が見られない場合、日中に病院へご連絡ください。




