愛産婦人科
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妊娠中のこと

妊娠中のこと

Ai Maternity Book

妊娠がわかったら


お母さんとお腹の赤ちゃんが共に健康で快適に過ごすために、妊娠中に少しだけ意識したい大切なポイントをまとめました。妊娠中の検査や生活上気をつけた方がよいこと、また出産に向けた身体の準備をすすめていきましょう。

妊婦健診

妊娠週数

受診間隔

健診内容

予定日決定〜11週

2週ごと

妊娠初期検査(採血・おりもの検査)

12週以降

4週ごと

助産師による保健指導①

16週以降

20週以降

内診があります(早産兆候がないか確認します)

24週以降

2週ごと

胎児スクリーニング / 妊娠中期採血

26週以降

内診があります

28週以降

30週以降

助産師による保健指導②

32週以降

34週以降

35週以降

1週ごと

助産師による保健指導③

おりもの検査(内診)/妊娠後期採血

36週以降

38週以降

NST検査

39週以降

NST検査 / 内診

40週以降

週に2回

NST検査 / 内診

  • 上記のスケジュールは一般的な例です。              
  • 妊婦さん自身の経過によって、受診間隔や内容は異なります。
  • 妊娠中に3回ほど助産師による個別の保健指導(約30分)があります。

  ⇒ご予約は「保健指導」でおとりください。(医師の診察もここに含まれます)

出血やおなかの張りなど、心配な症状があるとき

予約日を待たずに、外来診療時間内に受診してください。予約なしで直接来院していただいて大丈夫です。強い症状があるときは、スタッフにお伝えください。

発熱、下痢、嘔吐、風邪症状など感染症の疑いがあるとき

来院される前に必ずお電話でご相談下さい。診察券番号とお名前をお伺いします。

※お電話は必ずご本人からおかけください。

妊娠中の検査

妊娠初期

おりもの検査

グラム染色検査、子宮頸がん検診、クラミジア、 腟分泌物検査

血液検査

血液型、不規則抗体、梅毒、HIV抗体、HBs抗原、HCV抗体、トキソプラズマ抗体、HTLV-1抗体、甲状腺検査、風疹抗体、貧血・肝機能検査

妊娠中期

採血

貧血・肝機能検査、ブドウ糖負荷試験※1

胎児スクリーニング検査

胎児に異常がないか、可能な範囲でエコー検査をします。所要時間約15分。

胎児心臓スクリーニング検査

胎児の先天性心疾患の有無などをエコーで調べる検査です(STIC法)。所要時間約15分。

妊娠後期

おりもの検査

GBS(B群溶連菌)※2

血液検査

貧血・肝機能検査

ノンストレステスト(NST)

陣痛計と赤ちゃんの心拍計を20~30分間程度装着し、赤ちゃんが元気であることを確認します。

内診

子宮口の開き具合や、赤ちゃんの頭の下がり具合を内診で確認します。(39週~)

帝王切開予定の方

帝王切開予定の方は、手術日1週間前に採血、心電図、胸部レントゲン検査があります。

※1 ブドウ糖負荷試験

ブドウ糖50gを含む医療用炭酸水を飲んで、1時間後の血糖値を調べます。食事の制限はありませんが、糖分はなるべく控えて来院すると良いでしょう。

※2 GBS(B群溶血性レンサ球菌検査)

腟内にいる細菌の一種です。 赤ちゃんが分娩時産道を通るときに感染すると、重篤な感染症を引き起こすことがあります。

陽性の場合、妊娠中には抗生物質を内服し、陣痛が開始したら抗生物質を点滴します。

RSウイルス母子免疫ワクチン「アブリスボ」について

RSウイルスとは

RSウイルスは呼吸器の感染症です。生後6か月未満の赤ちゃんでは重症化することがあり注意が必要な疾患です。

「アブリスボ」について

このワクチンを妊婦さんが接種すると、お母さんの体の中でRSウイルスと闘う力(抗体)が作られます。その大切な抗体は、胎盤やへその緒を通じてお腹の赤ちゃんにもしっかりと届けられます。

これにより、赤ちゃんは生まれながらにしてRSウイルスへの抵抗力(免疫)を持つことができ、感染や重症化の予防につながります。

接種の対象

妊娠24~36週の期間に接種できますが、妊娠28週からのほうがより効果的とされ、接種後2週間以内にお産になると効果が落ちるため、当院では妊娠28週~34週までの接種を推奨しています。

接種回数と費用

筋肉内注射 1回接種 35,000円(税込)

※接種後は30分の院内待機をお願いしています。

接種をご希望される方は、接種希望日の2週間前までの健診時にお申し出ください。

※お電話の場合は希望日の1週間前までにご連絡をお願いします。

(WEBでのご予約はできません)

妊娠中の生活

旅行

妊娠中は安定期に入っても、思わぬ体調の変化をきたすことがあります。やむをえない場合以外は、なるべく避けましょう。旅行の際には母子手帳、健康保険証を持ち歩きましょう。

カラーリング・パーマ

妊娠中は肌がかぶれやすくなることがあるので、注意が必要です。

ジェルネイル・まつげエクステ・指輪

ジェルネイルやまつげエクステは、緊急手術や検査の妨げになりますので、妊娠中はしないようにしましょう。また、妊娠後期はむくみで指輪が外れにくくなることがあります。 外せるうちに外しておきましょう。

性行為

精液中には早産の誘因になる物質が含まれているので、お腹が張る可能性があります。性感染症予防のためにも必ずコンドームを使用しましょう。

切迫流産、切迫早産、前置胎盤、低置胎盤と診断されている方は性行為を避けてください。

嗜好品

お酒

アルコールは胎盤を通り、赤ちゃんにとって様々な障害やリスクになる可能性があります。飲酒はやめましょう。

たばこ

妊娠中の喫煙は、自然流産、早産、胎児発育不全、胎盤早期剥離、前置胎盤など様々なリスクがあります。家族が喫煙する場合も、副流煙により同様のリスクがあります。家族全員で禁煙に取り組みましょう。赤ちゃんが産まれたあとも、禁煙を続けましょう。

カフェイン

コーヒー1日2杯程度までは問題ないと言われています。カフェインレスも取り入れましょう。

妊娠中のマイナートラブル

妊娠すると、体にはいろいろな変化が起こります。妊娠に伴って起こる不快な症状のことをマイナートラブルといいます。気になる症状があるときは、スタッフに相談してみましょう。

痔・便秘

妊娠中は大きくなった子宮により腸や直腸周囲の静脈が圧迫され、痔になりやすくなります。痔の一番の予防策は、便秘をしないようにすることです。その為に水分摂取と食物繊維の摂取が大切です。

たちくらみ

貧血や一時的に血圧が下がる事で起きます。貧血の場合は鉄分摂取を、血圧の低下で起こる場合はゆっくり動作をしたり、水分をこまめにとりましょう。

腰痛

骨盤の緩みとゆがみによって起きます。骨盤ベルトやさらしで骨盤を支えたり、日常生活の姿勢に気をつけましょう。横すわりは避けましょう。

こむらがえり・足がつる

下半身の血液の流れが停滞したり、冷えや疲れにより起こりやすくなります。サポートストッキングを履いたり、身体を温め血液の循環を良くし、長時間の歩行は避けましょう。

気をつけたい症状

つわり・悪阻症状

妊娠のホルモンによるもので、症状も程度も人それぞれです。妊娠16週頃までに落ち着くことが多いです。

症状:胸やけや消化不良、嘔吐など症状は様々で、個人差があります。

対策:この時期は食べられるものを食べたい時に摂取しましょう。

数日間にわたって吐くとき、吐いてばかりで日常生活が送れない、体重が減った・・・。このような場合は、妊娠悪阻(おそ)といって点滴治療が必要なこともあります。当院へ連絡の上、受診をしましょう。

切迫流産・切迫早産

流産になりかけている状態のことを「切迫流産」といいます。

妊娠22週以降37週未満の出産を早産といい、早産になりかけている状態のことを「切迫早産」といいます。

症状:出血、お腹の張りや痛み。自覚症状がない場合もあります。

対策:激しい運動、腹圧がかかるような動作、性行為、長時間の同一姿勢などは避けましょう。

強い下腹痛や張りがあるとき、出血が多いとき、水っぽいおりものがあるときは電話で相談しましょう。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群になると、腎臓の機能が悪くなり、産後も悪化することがあります。胎盤の機能が低下し、赤ちゃんに栄養や酸素を十分に送ることができず、成長や発達に影響がでることもあります。

重症になると、母体はけいれんが起きたり、胎盤早期剥離を発症する危険があります。

症状:妊娠20週以降、分娩後12週までの間で高血圧や蛋白尿が生じ、むくみが出る場合もあります。

予防:安静にし、ストレスを避ける!体重コントロールをする!
適切な増加ペースを守り、目標体重を超えないようにする。塩分を控えめにする。
水分は制限せず1日1.5L程度を目安に摂取する。

<受診のサイン>

・高血圧になる(140/90㎜Hg以上)

・頭痛、吐き気がある

・目がチカチカする

・みぞおち周辺に強い痛みがある

常位胎盤早期剥離

赤ちゃんが産まれる前に胎盤がはがれ、危険な状態になります。

突然の激しい腹痛、お腹がカチカチに硬くなる、多量の出血、胎動減少 がある場合は、すぐに当院へご連絡いただき、受診をお願いします。


緊急時は夜間でも対応いたしますので、ご遠慮なく電話にてご相談ください。日中から症状がある場合には、安全な医療の提供のため、外来診療時間内に来院・またはお電話をお願いいたします。ご協力よろしくお願い致します。

妊娠中の体作り

スムーズなお産に向けて、体の調子を整えることが大切です。食事や運動など、心がけたい生活習慣を紹介します。

栄養バランスのよい食事

妊娠中に摂取すた栄養は母体だけではなく、お腹の赤ちゃんにも送られます。できる限り栄養バランスに気を配り、規則正しい食生活を意識しましょう。

適度な運動

ウォーキングや妊婦体操などで適度に体を動かしましょう。

●ウォーキング

 呼吸が乱れない程度で、疲れない程度がいいでしょう。無理のない範囲で習慣にできるとよいですね。

●妊婦体操

 妊婦体操は腰痛などの不快な症状を防ぎ、妊娠中の生活を快適にすると同時に、お産の時に使う筋肉や関節がやわらぎます。

身体を冷やさない

体の冷えはお腹の張りや、腰痛・足がつるなどのマイナートラブルの原因になります。靴下や腹巻で体を温める、湯船につかって血行促進するなど、身体を温めることを心がけましょう。

会陰マッサージ

会陰マッサージとは

出産時の会陰の傷を防ぐため、妊娠中から会陰マッサージを行うことが効果的と言えます。すべての傷を防ぐことはできませんが、傷を小さくするための効果があると言われています。

開始時期

お産の時期が近付いた35週からが一般的です。

注意点

お腹が張るなどの不調があるときや、医師から早産のリスクを指摘されている方は控えましょう。症状が安定し、妊娠37週を過ぎてから開始して下さい。

会陰マッサージの方法

  • 手をきれいに洗い、オイルをたっぷり指につける
  • 親指が腟の中に全部入る姿勢をとる
  • 会陰の表面を指でなぞるように優しく押す
  • 親指を腟に入れ、息を吐きながら肛門のほうへ押す
  • 慣れたら、時計の4時から8時の間を肛門のほうへ押すようにマッサージする

乳頭マッサージ

母乳の利点

  • 母乳に含まれる免疫物質で赤ちゃんを病気から守る
  • 消化吸収がよく、いつでも新鮮
  • 栄養学的なバランスが良い
  • 母乳を吸われる刺激で、産後の子宮の回復が良くなる など

開始時期

体調が良ければ妊娠28週ころから始めましょう。

注意点

乳頭刺激は、おなかの張りが起こりやすくなります。お腹が張るなどの不調があるときや、医師から早産のリスクを指摘されている方は症状が安定し、37週を過ぎてから開始して下さい。

乳頭マッサージの方法

  • 片手でおっぱいを支えます
  • 片手の親指、人差し指、中指の3本の指で乳輪部から乳頭をつまみ、乳頭の先端をつぶすように意識して圧迫します 
  • 位置を変えて行います。5~10秒くらいの時間をかけて圧迫します