
【母娘で読む】生理痛、「市販薬で様子見」はいつまで?高校生・大学生のうちに婦人科で調べておきたいこと|現役産婦人科医が解説
「毎月、生理のたびに娘が鎮痛剤を手放せない」 「痛くて学校を休む日があるけれど、若いから仕方ない?」 そんなふうに、娘さんの重い生理痛を「市販薬」でしのいで様子を見ていませんか? お母さん自身も若い頃に生理痛がひどかった場合、「生理痛は痛くて当たり前」「我慢するもの」と思ってしまう方も少なくありません。 しかし、産婦人科医の視点からお伝えすると、「毎月痛み止めが必要なほどの生理痛」は決して当たり前ではありません。 将来の妊娠やキャリアを守るために、高校生・大学生のうちに知っておいてほしい「受診のサイン」と「婦人科での検査」について解説します。
1. 「いつもの生理痛」に潜む将来のリスク
生理痛がひどい状態を、医学的には月経困難症と呼びます。 特に10代〜20代の若い女性で気をつけたいのが、子宮内膜症という病気が隠れているケースです。
子宮内膜症は、子宮内膜と似た組織が卵巣や骨盤内などで増えてしまう病気です。生理のたびにその部分が炎症を起こすため、人によっては寝込むほどの強い痛みが現れることがあります。 また、炎症が長く続くと卵管などがダメージを受け、将来妊娠を考えた時に影響を及ぼす可能性もあります。「毎回痛み止めが手放せない」「年々痛みが強くなっている」という方は、決して我慢せずに一度婦人科でチェックを受けてみましょう。

2. 婦人科へ行くべき「市販薬の限界ライン」
「どのくらい痛かったら病院に行っていいの?」と迷ったら、以下のサインをチェックしてみてください。一つでも当てはまれば、市販薬で様子を見るのをやめ、婦人科を受診するタイミングです。
- 毎月、市販の痛み止め(鎮痛剤)を飲んでいる
- 薬を飲んでも痛みがスッキリ取れない・薬の効きが悪くなってきた
- 生理痛のせいで、学校を休んだり部活やバイトを休んだりすることがある
- 痛みが年々ひどくなっている気がする
- 生理以外の時(排卵期など)も下腹部が痛むことがある
痛み止めは「痛みの原因」を治すお薬ではありません。痛みを一時的に麻痺させている間に、病気が進行してしまうのを防ぐためにも、早めの受診をおすすめします。
3. 高校生・大学生が婦人科で受ける検査とは?
「婦人科に行くと、いきなり内診台に乗せられるのでは…?」という恐怖心から、受診をためらう学生さんはとても多いです。
ご安心ください。性交渉の経験がない10代〜20代の方には、原則として腟から器具を入れる内診は行いません。 まずは問診でじっくりお話を聞き、お腹の上から超音波(エコー)を当てる検査や、血液検査などで子宮や卵巣の状態を確認します。 お母さんが付き添って、一緒に説明を聞くことももちろん可能です。

4. ピル(LEP)は生理痛の「治療薬」です
検査の結果、子宮内膜症などの病気が見つかった場合や、病気がなくても痛みが強い場合は、治療として低用量ピル(LEP)を処方することがあります。
「ピル=避妊薬」というイメージを持つお母さん世代もいらっしゃるかもしれませんが、現代では重い生理痛を改善し、将来の子宮や卵巣を守るための治療薬として、多くの高校生や大学生が服用しています。 生理の量も減り、痛みも劇的に軽くなるため、「もっと早く飲めばよかった!」と驚く方がほとんどです。
まとめ:婦人科受診は、娘さんへの「将来のプレゼント」
生理痛は、人と比べることができないため「私だけ大げさなのかな」と我慢してしまう女の子が多いです。
だからこそ、一番近くにいるお母さんが「一度、婦人科で診てもらう?」と優しく背中を押してあげてください。それは、娘さんの将来の健康と妊娠を守る、かけがえのないプレゼントになります。 「ちょっと相談してみようかな」くらいの気持ちで、ぜひお気軽に当院へいらしてくださいね。
監修
院長 菅原 正樹
医療法人育愛会 愛産婦人科
札幌市手稲区の産婦人科 医療法人育愛会 愛産婦人科 院長の菅原です。 私たちは、女性のあらゆるライフステージに寄り添い、一人ひとりのお悩みに応える医療を大切にしています。




