
「やっと会えたね!」
長いお産を乗り越え、赤ちゃんの元気な産声を聞く瞬間は、ママにとって言葉では言い表せないほどの感動があります。
そんな感動に包まれた出産直後、生まれたばかりの赤ちゃんをママの素肌の胸に抱き、初めてのスキンシップをとるケアを早期母子接触と呼びます。(一般的にはカンガルーケアという名前で広く知られています。)
今回は、この早期母子接触がママと赤ちゃんにどんな素晴らしい効果をもたらすのか、そして当院が徹底している安全への配慮について、助産師が詳しく解説します。
1. 「早期母子接触」がもたらす素晴らしいメリット
出産直後、まだ胎脂(白いクリーム状の脂)がついたままの温かい赤ちゃんを胸に抱くことは、単なる思い出づくりではなく、医学的にも非常に多くのメリットがあります。
① 赤ちゃんの体温と呼吸が安定する ママのお腹の中から突然外の世界へ出てきた赤ちゃんは、体温調節がまだ上手くできません。ママの素肌の温もりを直接感じることで、赤ちゃんの体温が保たれ、呼吸や心拍がスッと落ち着く効果があります。
② 母乳育児の素晴らしいスタートになる 赤ちゃんの肌の感覚や匂いを感じることで、ママの脳からオキシトシン(別名:幸せホルモン)というホルモンが大量に分泌されます。このホルモンは、おっぱいの分泌を促し、産後の子宮の回復を助けてくれる強力な味方です。
③ 深い安心感と愛着形成に繋がる ママの心音を聞きながら抱かれることで、赤ちゃんは強い安心感を得ます。またママ自身も、母性が自然と引き出され、赤ちゃんとの絆(愛着)が深く結ばれていきます。

2. ママと赤ちゃんの安全を最優先に守るために
早期母子接触について調べていると、ニュースなどで事故の話題を目にして不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
だからこそ、私たちは何よりも安全を最優先することを絶対のルールとしています。
当院で早期母子接触実施中は、ママと赤ちゃんだけを分娩室に残すようなことは絶対にありません。
必ず助産師がそばに付き添い、赤ちゃんの呼吸状態、顔色、体温などを専用のモニターとプロの目で絶え間なく観察します。ママがリラックスして感動の瞬間を味わえるよう、私たちが万全の体制で安全を見守りますので、どうかご安心してください。
3. もし「その時」にできなくても、絆は変わりません
早期母子接触は、あくまでお産直後のママと赤ちゃんの健康状態が、両方とも安定していることが絶対条件です。
もし、お産の進行によってママが疲れ切っていたり、赤ちゃんの呼吸サポートが優先だと判断した場合は、医療者の判断で中止・延期することがあります。
「早期母子接触ができなかったから、愛情不足になるのでは…」と心配する必要は全くありません。お部屋に戻ってママの体力が回復してから、ゆっくりと肌を合わせて抱っこすれば、赤ちゃんにはママの愛情がちゃんと伝わります。焦らず、ご自身の体調を第一に考えてくださいね。
まとめ:ご希望の方はバースプランでお知らせください
産後すぐの赤ちゃんの重み、肌の温かさ、そして一生懸命に生きようとする力強さは、ママにとって一生の宝物になるはずです。
「生まれたらすぐに抱っこしたい!」という方は、ぜひ妊婦健診の際に助産師へお伝えいただくか、バースプランの用紙に希望を書いてみてくださいね。安全で幸せなお産の日を迎えられるよう、スタッフ一同、全力でサポートいたします!
【監修】
医療法人育愛会 愛産婦人科




