【助産師解説】生後2日目・3日目はなぜ泣く?「魔の2日目」の正体と、乗り切り方
「生まれた当日は、あんなにスヤスヤ眠っていたのに…」 「2日目の夜から、寝かせると泣く、抱っこしても泣く、おっぱいを飲んでも泣く…どうしたらいいの〜!」 生後2〜3日目頃に赤ちゃんが激しく泣き、途方に暮れてしまうママは多いです。 でも、 実はこの急な変化、助産師の間では「魔の2日目(または3日目)」と呼ばれるほど、多くの赤ちゃんに訪れる正常な成長ステップなんですよ。 なぜ、赤ちゃんは急に泣き出すのでしょうか? 「私の抱っこの仕方が悪いの?」「おっぱいが出ていないから?」と自分を責める必要はありません。その理由と乗り切り方を解説します。
1. なぜ「2日目」に急変するの?
生まれた当日(生後0日目)や翌日(生後1日目)の赤ちゃんがよく寝るのは、出産の時の疲れを癒やしているからです。 狭い産道を通り抜けてくるのは、赤ちゃんにとっても命がけの大仕事。その疲れで、最初は深く眠っています。
そして体力が回復してくるのが、ちょうど生後2日目〜3日目頃。 目が覚めた赤ちゃんは、急に不安になります。
- 「あれ? ここはどこ?(ママのお腹の中じゃない!)」
- 「明るくてまぶしい、オムツが気持ち悪い!」
- 「お腹が空いた気がするけど、どうすればいいの!?」
つまり、赤ちゃんの五感が正常に働き始め、外の世界に適応しようと必死になっているサインなのです。
2. おっぱいが足りないから泣いているの?
この時期、一番ママを悩ませるのが頻回授乳です。 飲ませても飲ませても、すぐに口をパクパクさせるため、「私の母乳が出ていないからだ…」と落ち込んでしまう方が多いのですが、実は少し違います。
赤ちゃんの「吸いたい欲求」が爆発中
もちろんお腹も空いていることはありますが、この時期の赤ちゃんは吸うことで安心感を得ようとしています。お腹の中にいた時のような安心感を求めて、ママの温かいおっぱいにずっと触れていたいのです。
「泣く→吸う」が母乳スイッチを入れる
実は、この激しい泣きと頻回授乳こそが、ママの脳に母乳を作るというホルモンを出すためのスイッチになります。 赤ちゃんは本能的に、何度も吸うことでこれから必要な母乳を確保しようとしているのです。

3. 「魔の2日目」の乗り切り方 3選
理屈ではわかっても、一睡もできないのは誰でも辛いです。 入院中にできる、現実的な乗り切り方をご紹介します。
① 「今はこういう時期」と割り切る
「なんで泣き止まないの?」と思うと辛くなりますが、「今はそういう時期なんだな」と割り切るだけで、少し気持ちが楽になります。 ずっと続くわけではありません。まずは深呼吸しましょう。夜間の方が、赤ちゃんが元気になることも多いので、日中にできるだけママも横になって昼寝しておくことをオススメします。
② おくるみで「おひなまき」
赤ちゃんは、手足がバタつくとその刺激(モロー反射)でさらに泣いてしまうことがあります。 バスタオルやおくるみで、手足をギュッと包む「おひなまき」にしてあげると、子宮の中にいた時の姿勢に近づき、安心して眠ることがあります。
③ 辛い時はナースコールで相談してください!
これが一番大切です。 ママが寝不足で倒れてしまっては元も子もありません。
- 「朝まで預かってほしい」
- 「あやし方を教えてほしい」
- 「ミルクを足して、一旦落ち着かせたい」
など、体調にあわせて遠慮なく助産師に伝えてください。 寝ないで育児をすることだけではなく、眠って身体を休めることも、ママの大事な仕事です。

4. パートナーや家族ができること
もし付き添い入院や面会が可能なら、この時期のパパの出番は非常に重要です。
- 抱っこをする・オムツ替え・ゲップ: 授乳以外の時間は、できるだけママを休ませてあげるために、抱っこはパパの仕事です。
- ママに「頑張ってるね」と声をかける: 当たり前ですが、「なんで泣き止まないの?」と怒ることは絶対にNGです。
まとめ:それは赤ちゃんが「元気に目覚めた」証拠です
生後2日目・3日目の激しい泣きは、赤ちゃんが外の世界で生きようとする生命力の証であり、成長の第一歩です。 ママの育て方のせいでも、相性が悪いわけでもありません。
退院すれば、またリズムが変わってきます。 入院中はプロ(助産師)がすぐそばにいますから、一人で抱え込まず、いつでもナースコールを押してくださいね。
【監修】医療法人育愛会 愛産婦人科




