
【医師解説】妊娠中期〜後期の「お腹の張り」自己判断は危険!迷わず受診すべき理由と危険なサイン
妊娠5ヶ月を過ぎてお腹が大きくなってくると、多くの妊婦さんが経験する「お腹の張り」。 「よくあることだから」「次の健診まで家で様子を見よう」とご自身で判断してしまうプレママが非常に多いのですが、産婦人科医からハッキリとお伝えします。 「妊娠中期〜後期のお腹の張りを、自己判断で放置するのは非常に危険です。迷ったら遠慮せずにすぐ産院へ連絡してください」。 今回は、なぜお腹の張りを「様子見」してはいけないのかという理由と、すぐに受診すべき危険なサインについて分かりやすく解説します。
1. 「ただの張り」と「危険な張り」は自分では見分けられない
お腹の張りの正体は、「子宮の筋肉の収縮」です。 妊娠中、赤ちゃんが大きくなる過程や、長時間歩いた後などに一時的にお腹が張ることは、誰にでも起こり得る自然な変化です。
しかし、その張りの裏には切迫早産(早産になりかかっている状態)や常位胎盤早期剥離(赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまう命に関わる状態)といった、早急な医療処置が必要なトラブルが隠れていることがあります。
怖いのは、正常な張りと危険な張りの違いを、妊婦さんご自身が「感覚だけ」で正確に見分けることは不可能だということです。 「痛くないから大丈夫」「休めば治るから平気」と自己判断して無理を続けてしまうと、気づいた時にはお産が進行してしまい、早産を止められなくなってしまう危険性があります。

2. こんな時は迷わず受診を!「危険な張り」のサイン
少し歩いたり動いたりした後に張っても、座って(または横になって)30分ほど休むと、すっかり柔らかくなるのであれば、生理的な張りの可能性が高いため、いったん様子を見ても大丈夫です。
しかし、以下のようなサインが一つでも当てはまる場合は、昼夜を問わず、すぐに産院へお電話・受診をしてください。
- 休んでも治まらない: 横になって1時間以上休んでも、お腹の張りが落ち着かないい。
- 規則的に張る: 「10分おき」「15分おき」など、時間を計ると一定の間隔で張りがやってくる(陣痛に繋がる危険があります)。
- 痛みを伴う: 生理痛のような重い痛みや、キューッと締め付けられるような痛みを伴う。
- 出血がある: 少量の茶色い出血や、ピンク色のおりものなど、出血が少しでも混ざっている。
- 胎動を感じない: いつもより赤ちゃんの動きが少ない、全く動かない。
3. 「迷惑かも…」と遠慮しないで!受診することが一番の安心薬です
「張っている気がするけれど、休んだら少しマシになった。でもなんだか不安…」 そんな曖昧な状況の時こそ、「病院に電話したら迷惑だと思われないかな?」と遠慮してしまう方が本当に多いです。
しかし、私たち産婦人科のスタッフは、休日や夜間など関係なく、「手遅れになる前に、どんな些細なことでも早く相談してほしい」と心から思っています。
電話をいただいてご来院していただいた結果、「ただの生理的な張りだったね。お薬は必要ないから、このまま安心して帰っていいよ」と笑って帰っていただくのが一番嬉しいのです。何事もないことを確かめに行くような気持ちで、受診していただければと思います。

まとめ:ママの「いつもと違う」という直感を信じて
妊娠中の体調変化に一番敏感に気づけるのは、他の誰でもないママ自身です。「あれ?なんだかいつもよりお腹が硬いな」「少し変だな」というご自身の直感や違和感を、決して無視しないでください。
「こんなことで電話していいのかな」と迷った時は、迷った=電話するサインです。 お腹の赤ちゃんを安全に守るため、そしてママ自身が安心してマタニティライフを過ごすためにも、不安な時はためらわずに私たちプロを頼ってくださいね。
監修

院長 菅原 正樹
【監修】医療法人育愛会 愛産婦人科
札幌市手稲区の産婦人科「医療法人育愛会 愛産婦人科」院長の菅原です。私たちは、女性のあらゆるライフステージに寄り添い、一人ひとりのお悩みに応える医療を大切にしています。お腹が大きくなる中期〜後期にかけては、お腹の張りや痛みなどマイナートラブルが増える時期です。「休めば治るかな」とご自身で抱え込まず、少しでも「いつもと違う」「不安だな」と感じた時は、夜間や休日であっても遠慮なく当院へお電話ください。「異常がなくてよかったね」と安心してお帰りいただけるよう、私たちがしっかりと診察し、ママと赤ちゃんをサポートいたします。




